介護離れ解消に向けた具体的な取り組み

介護士の人材不足は、少子高齢化ということも要因となっていますが、低賃金でかつ重労働と言うネガティブなイメージが蔓延していることにより、若い世代の介護離れが進んでいるのが現状です。

そのため、どこの高齢者向けの施設や事業所でも新卒の介護士の確保が困難な状況であることから、現場で働く介護士はひとり当たりの仕事量が多くなり、より過酷な労働となっているのも事実です。

労働に見合わない賃金や人間関係による揉め事のある職場環境などにより、介護士として働く人の離職率も高く、ほかの業種に比べて勤続年数も短いといわれている業種です。

これからのより進む高齢化社会に向けて、厚生労働省では介護士の人材不足解消のために、「離職した介護人材の呼び戻し」や「新規参入促進」、「離職防止・定着促進」の3つを柱とした対策を構築しているます。

人材の呼び戻しについては、一度介護士の仕事を退いた人を対象に、1年以上の介護士としての実務経験を条件として、再就職に必要となる準備金の貸付を行ない、再就職後2年間仕事を続ければこの準備金の返済を免除されるものです。

新規参入促進では、介護士を目指す学生の増やすことを目的に、養成学校などへの入学後の支援をし、卒業後の介護現場への就職と定着のために学費の貸付を実施し、卒業後の一定期間内に就職し5年間介護の仕事を続けると学費の返済が全額免除となります。

また、離職防止では、子育てしながら働ける環境づくりや腰痛などの身体への負担の軽減のために介護ロボットの導入などを政府は検討しています。

こうした対策以外にも、国と施設側で色々な対応を取っています。介護の人材不足の話は誰もが関係してくることであり、決して他人事ではありません。これから迫る超高齢者社会の課題を見つめるためにも、介護の人材確保に対する取り組みを把握しておくことが大切です。