高齢者支援における負担の問題

介護業界の現状は、とにかく人材不足の一言で表わせます。あまりにも人手が足りていないために、介護士一人当たりの負担はこれ以上ないレベルで重くなっています。

特に夜勤時には、一人で数十人の利用者を受け持たなければならないケースが多いです。一人の相手をしているときに、他の誰かが体調不良を訴えるということもよくある話です。高齢者はいつ何時状態を悪化させるか分かりません。こうしたことを踏まえると、早急に人材不足の現状を解消しなければいけません。

賃金が低いということよりも、負担が重いからこの業界を去る人も少なくはないのです。これからさらに団塊の世代が高齢化していくと、介護士不足はピークを迎えることでしょう。介護士一人あたりの稼働量が限界に達するタイムリミットは刻々と迫っています。すぐに人材不足が解消しないなら、介護ロボットなどの導入をして、少しでもスタッフの労力を削減していく必要があります。

ただ、人材不足は悪いことばかりではありません。人手が足りていないがゆえに、どんな経歴の持ち主でも、年齢を重ねていても、正規雇用される可能性が高いという利点はあります。何らかの理由で無職になってしまい、すぐに就職がしたいというときには、介護業界は非常に狙い目な職種だといえます。

また、他の仕事を探す間だけ、一時的に介護スタッフとして働くという方法を取る人もいます。主婦をしていてブランクが長い方やニート歴が長くてなかなか再就職できない立場にある人にとって、介護は非常に入りやすい業界だといえます。